真空コンクリートパネル工法とは
◉ 真空コンクリートパネル工法とは
コンクリート中に含まれた余剰水や気泡を真空状態にして抜く事で、高い強度を生み、早期開放できる工法です。真空コンクリート工法には、大別してパネル工法とシート工法の2種類の方法がありますが、当社は導入以来パネル工法のみを採用。水を吸い上げやすく、平坦性を保てる当社独自のパネルを使用し、長期間、より高強度の真空コンクリートを創り出しています。
また、真空コンクリートパネル工法には、『○型・プルトップ型すべり止め(スロープ面の真空処理)』と、『平面(平面の真空処理)』の2種類があります。
打設後のコンクリート面に真空パネルをかぶせます。
真空ポンプで真空パネルとコンクリート面に真空状態をつくりだします。
真空パネル上面より大気圧を作用させて、コンクリート中から水和に不必要な水分を除去し、水セメント比を小さくします。
コンクリートが締め固められ、強度、耐摩耗性が増大します。
◉ いつまでも頑健な強度を保ちます
真空コンクリートは高強度、高耐摩耗性を持つことから、一般道路や高速道路、駐車場へのアプローチ、坂道など様々な場所で活用されています。その特徴を最大限に引き出すのがパネル工法です。昭和29年に日本で初めて導入した吉野理化工業(現太平洋プレコン工業株式会社)様の長年のノウハウと実績から開発されたパネル工法を受け継ぎ、これからも長期間その品質を保つ真空コンクリートを提供して参ります。
◉ 3つの特徴
- 1. 高強度・早期開放
- コンクリートで重要なのは、水とセメントの比率です。コンクリートに含まれる水分が少なければ強度は増しますが空隙ができやすくなります。真空コンクリートパネル工法はこれらの問題を解決した方法です。
打設直後のコンクリートに含まれる余剰水や気泡を抜いて水セメント比(W/C)を下げ(普通コンクリートに比べ、W/C3~6%低下)、大気圧を利用して締め固めるので、初期強度は増大します、養生期間は、通常の湿潤養生に比べ約半分ですみ、早期開放が出来るので、道路舗装や路面補修には極めて有効な工法です。
- 2. 高耐磨耗性・低コスト
- 真空にすることで、コンクリート表面が大気圧に押されて締め固められて緻蜜になり、コンクリートの表面高度が増大します。その結果、耐磨耗性は普通に打説したコンクリートに比べ、2.0~2.5倍向上、表面の固さも50~60%も向上します。
このことから、交通量の多い車道や駐車場進入路などの表面磨耗を防ぎ、長年の供用にも充分耐えうる強度を有しているので、メンテナンス費用を低減できる工法です。
- 3. 凍結融解・凍害に強い
- 真空コンクリートパネル工法は、コンクリートの硬化に不必要な水を除去するので、凍害の可能性が減少します。また、硬化収縮量が減少するので、乾燥収縮によるひび割れも低減します。
◉ 他工法にはない作業性
- 1. 工期短縮
- 打設直後の比較的やわらかいコンクリート面に、当社独自の特殊構造の真空パネルを隙間なく敷き並べ、ハンドバイブレーターを使用しながらコンクリート面に完全密着するように圧着させて真空状態を作り出す工法で、早い段階からパネル上での作業をすることが出来ます。乾くまで待たずに行え、工期短縮が計れます。
- 2. 高い作業性
- 真空パネルの大きさは、1枚1m²又は2m²が基本サイズ。1サイクルは10~30m²の複数のマットで繰り返し行う工法により、作業性が良く、効率よく作業が行えます。また、舗装の幅員に合わせてパネルの敷き並べ枚数が調節でき、コンクリート面を確実に真空処理できます。
- 3. 美しい舗装面が短期間で完成
- 各パネルごとに吸引口があるので、真空処理面に一様に負圧が働き、ムラのない真空処理が行えます。このことから均一の吸引水量が得られ、舗装面全体が高強度の真空コンクリートに仕上がります。また、真空パネルは剛性の構造なので、コンクリート舗装面はより平滑に仕上り、なめらかで美しい舗装面に仕上がります。